ゴキげんよう。
そういえば、そういえばだな。
この間カエルに出会ったのだよ

道路に面した道端でね。
「あんた!あんたちょっと!あんた、よく自転車に轢かれてペタンコになってるタイプのカエルじゃないのよ!」
ってお声がけさせていただいたんですけどね。
どこへ向かおうともせず、ただただ道端に佇むカエル。
危ないのでとりあえず崖の上の人通りのない花壇へ誘導したんですけどね。
よじ登る。
わたしカエルって2mくらい跳ぶもんだと思ってたからね、まさかよじ登るとは思わなくて。
でもカエルってそんなもんなんですって、知らなかったわ。
そしてね、よじ登ってはいいとこで落ちてくるんですよ。
頂上まであと少しってところでボトッと落ちてくるんですよ。
そんなことを3回ほど見守ったところで。
結果ね、手動がいちばん手っ取り早いことに気付くんです。
このとき思い出したんです。
このカエルを抱き上げた瞬間思い出したんです。
3年ほど前の話です。
ある日庭の瓶の中に勝手に居候してたカエルがいたんですけどね。
なんだかんだ気が合って、向こうも居心地が良かったのかしばらく居座ってたんですよ。
「クラレ」って名前なんかつけたりして、しばらく仲良くやってたんですけどね。
まあ、庭の金魚食われたりもしてたんですけど。
でも、鳴けども鳴けども嫁が見つからんのですよ。
民家の庭なので近くに池もないし、嫁候補の影すらない。
これはいかんと、池に逃がしに行ったんです。
そのときに
クラレのために歌を歌ったんです。
「こんにちは ありがとう さようなら また逢いましょう
うってつけの 言葉はないけど
帰ろう 帰ろう 帰ろう 家まで」
そして
「素敵なお嫁さん見つけるんだよ!できれば束縛しないで、料理も上手くて、床上手で、無駄な詮索をしてこないお嫁さんを見つけるんだよクラレ!」
という言葉を最後に、クラレとはそれっきりだったのですがね。
きっとクラレの生まれ変わりだったのではないのかとね。
短い時間だったけど、クラレが挨拶にきてくれたんじゃないかと。
そんなことを思い出しながら、また一緒に池まで行ったんです。
そして遅刻したんですね。
ぽわり。